この記事では、日本からペットを海外へ連れて行くために必要な全ての情報を、準備期間・手続きの流れ・国別要件・費用まで段階的に解説します。2026年3月時点の最新情報をもとに整理しているので、これからお手続きを始める方の「最初の一歩」としてお役立てください。
📌 この記事のポイント
- 手続きの開始は出発の7ヶ月前からが目安(国によってはさらに早期が必要)
- 国によって大きく異なる規制と検疫制度
- 2024年8月〜:米国向けはCDCオンラインフォームの提出が必須
- 2026年4月〜:EU向けの書類要件が改定予定
まず確認:準備期間の目安
「どれくらい前から準備すればいい?」という質問は最もよく受けます。結論から言うと、最低でも出発の6〜7ヶ月前からのスタートが必要です。オーストラリアやニュージーランドは8ヶ月以上かかるケースもあります。
時間がかかる主な理由は3つです。①狂犬病ワクチン接種後に抗体価が安定するまでの待機期間、②血液検査の結果判明と証明書取得にかかる日数、③渡航先によって設けられた追加の待機期間(例:EU向けは抗体検査実施から3ヶ月)——この3つが重なるため、直前に準備を始めても間に合いません。
| 渡航先 | 最低準備期間の目安 | 特記事項 |
|---|---|---|
| EU諸国 | 約7ヶ月 | 抗体検査後3ヶ月の待機が必要 |
| 米国 | 約3〜4ヶ月 | CDCオンラインフォーム提出が必須(2024年8月〜) |
| 英国 | 約7ヶ月 | EUとほぼ同等の要件 |
| オーストラリア | 約8ヶ月以上 | 施設での検疫(最短10日)あり |
| ニュージーランド | 約8ヶ月以上 | 施設での検疫(最短10日)あり |
| シンガポール | 約4〜6ヶ月 | 輸入許可証(AVS)の取得が必要 |
| アジア近隣国 | 約3〜6ヶ月 | 国によって大きく異なる |
※上記はあくまで目安です。犬種・年齢・健康状態・出発空港・航空会社によって変わります。詳細は無料相談でご確認ください。
準備のタイムライン:7ヶ月前から逆算する
【7ヶ月前〜6ヶ月前】情報収集・医療処置の開始
最初にすべきことは、渡航先の規制確認と獣医師への相談です。この時期に確認しておきたい主な項目:
- 渡航先の最新の輸入要件(公式機関で必ず確認)
- 必要なワクチンの種類とスケジュール
- マイクロチップの有無(未装着の場合は早急に対応)
- ペットの現在の健康状態の把握
この時期に行う医療処置は主にマイクロチップの装着と狂犬病ワクチン接種です。ワクチン接種後、抗体価検査ができるまで30日以上あける必要があるため、なるべく早めに済ませます。
【5ヶ月前〜4ヶ月前】抗体価検査・書類準備の開始
ワクチン接種から30日以上経過したら、狂犬病抗体価検査を実施します。検査値が0.5 IU/ml以上であることを確認し、証明書を取得します。この証明書の採血日がその後のスケジュールの起点になるため、日付管理が重要です。
- 抗体価検査の実施(農林水産省指定検査施設で実施)
- 結果証明書の取得(判明まで2〜3週間かかるケースあり)
- 輸出検疫証明書の事前相談(出発空港の動物検疫所へ)
- 渡航先の輸入許可証が必要な場合は申請開始
抗体価検査の証明書有効期限は採血日から2年間ですが、EU・英国向けは採血日から3ヶ月後以降にしか入国できないため、このタイミングで採血した場合、EU入国可能になるのは採血から3ヶ月後となります。
【3ヶ月前〜2ヶ月前】航空会社の予約・ケージ準備
この時期に航空会社の選定と予約を確定させます。ペットの輸送スペースは数が限られており、特に夏季(5〜10月頃)は早めの予約が必須です。また、短頭種(フレンチブルドッグ・パグ・ペキニーズなど)は航空会社によって輸送制限があるため、必ず事前確認を行います。
- IATA基準に合ったケージの選定・購入
- ケージへの慣らし訓練の開始(最低1〜2ヶ月かけて)
- 輸出検疫申請書を動物検疫所へ提出(出発7日前までが締切)
- 現地の動物病院のリストアップ
【1ヶ月前〜出発前】最終確認と書類の仕上げ
出発前1ヶ月で書類一式を完成させます。特に健康証明書は渡航先によって10日以内など有効期限が短いため、かかりつけ獣医師との日程調整を早めに済ませておきましょう。
- 出発48時間前:最終健康診断・食事制限の開始
- 書類の有効期限確認(全て最新の状態か)
- コピーの作成・デジタル保存(クラウド推奨)
- 空港での動物検疫カウンターの場所・手続き流れの確認
必要な手続き・書類の全体像
① マイクロチップの装着
ほぼ全ての国で、ISO 11784/11785規格に準拠したマイクロチップ(15桁)の装着が求められます。装着は獣医師が行い、その後登録手続きを完了させます。重要なのは「マイクロチップを装着してからワクチンを接種すること」(逆の順番だと書類が無効になる国があります)です。
② 狂犬病予防接種
生後91日以上のペットに、不活化ワクチンまたは遺伝子組換えワクチンを接種します(生ワクチンは多くの国で認められません)。初回接種後は30日以上の間隔をあけてから再接種、またはその後の抗体価検査に進みます。
③ 狂犬病抗体価検査(必要な渡航先向け)
EU・英国・オーストラリア・ニュージーランドなど多くの国で必要です。農林水産省が指定する検査施設で採血し、血清中の抗体価が0.5 IU/ml以上であることを証明します。証明書の有効期限は採血日から2年間ですが、EU・英国向けは採血から3ヶ月後以降でなければ入国できません。
④ 輸出検疫証明書の取得(動物検疫所)
日本からペットを輸出する際は、農林水産省 動物検疫所による輸出検疫証明書が必要です。出発空港を管轄する動物検疫所に、出発7日前までに輸出検査申請書を提出します。書類に不備があると証明書が発行されないため、事前にドラフトをメールで確認することを強くおすすめします。
詳しくは:動物検疫の教科書|愛犬・愛猫との海外渡航完全ガイド
⑤ 渡航先の輸入許可証・健康証明書
渡航先によっては、日本の輸出検疫証明書に加えて現地当局の輸入許可証の事前取得が必要です(オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールなど)。また、獣医師が発行する健康証明書(形式・言語・有効期限は国ごとに異なる)も多くの国で求められます。
国別の最新要件(2026年現在)
🇪🇺 EU諸国への渡航
- マイクロチップ装着(ISO 11784/11785)
- 狂犬病ワクチン接種(マイクロチップ装着後に接種)
- 狂犬病抗体価検査(0.5 IU/ml以上)→ 採血から3ヶ月経過後に入国可能
- EU形式の動物用健康証明書
- 犬の場合:エキノコックス(条虫)駆除証明が一部国で必要
🇺🇸 米国への渡航
- マイクロチップ(ISO規格)装着
- 生後6ヶ月以上であること
- CDC Dog Import Form のオンライン提出(受領証が必要)
- 日本は狂犬病低リスク国のため、渡航時の追加ワクチン証明は原則不要
- ハワイ州は別途固有の要件あり(要確認)
🇬🇧 英国への渡航
- マイクロチップ装着
- 狂犬病ワクチン接種
- 狂犬病抗体価検査(EUと同等の要件)
- GB形式の動物用健康証明書(渡航10日前以内に取得)
- 犬のみ:タペワーム(条虫)駆除証明が必要
🇦🇺 オーストラリアへの渡航
- 輸入許可証の事前取得(必須)
- マイクロチップ装着
- 複数の血液検査・各種予防接種
- 到着後の施設検疫(最短10日間)
- 最低8ヶ月以上の準備期間が必要
🇳🇿 ニュージーランドへの渡航
- オーストラリアとほぼ同等の厳格な要件
- 輸入許可証の事前取得(必須)
- 到着後の施設検疫(最短10日間)
- 最低8ヶ月以上の準備期間が必要
※要件は予告なく変更されることがあります。必ず最新の公式情報を渡航前に確認してください。他の国については国別ペット輸送ガイドもご参照ください。
🐾 渡航先が決まったら、まず無料相談でスケジュールを確認しましょう
渡航先・犬種・出発希望日をお伝えいただければ、必要な手続きと期限を整理してご案内します。
書類準備から検疫申請まで、まとめてサポートします。
相談は完全無料|オンライン対応可|土日祝も対応
輸送方法の種類と選び方
受託手荷物(貨物室への預け入れ)
日本発の国際線では、ペットの客室内への持ち込みは原則できません(一部の例外ルートを除く)。最も一般的な輸送方法は、受託手荷物として貨物室に預ける方法です。IATA(国際航空運送協会)の基準を満たしたケージを使用し、飼い主と同じ便に乗ります。小型犬・猫を中心に対応できますが、航空会社・季節・路線によって条件が変わります。
貨物便(ペット専用フライト)
飼い主とは別の貨物便で輸送する方法です。大型犬・多頭・短頭種など受託手荷物で対応できないケースや、航空会社のペット受け入れ制限が厳しい季節に活用されます。専門の輸送業者が手配・管理するため安全性は高いですが、費用は高くなる傾向があります。詳しくはペット国際輸送完全ガイドをご覧ください。
特別なケース:短頭種・高齢・多頭
フレンチブルドッグ・パグ・ボストンテリアなどの短頭種は気道が狭く輸送中のリスクが高いため、多くの航空会社が輸送制限を設けています。JALはフレンチブルドッグ・ブルドッグを全便不可、ANAは短頭種の国際貨物は通年不可としています(2026年3月時点、必ず最新情報を確認)。
高齢犬・高齢猫(10歳以上が目安)は事前の精密検査が推奨されます。多頭輸送の場合は、一頭一頭の書類と手続きが必要になります。詳しくはペットと飛行機に乗るための安全対策完全ガイドをご覧ください。
費用の目安
費用は渡航先・ペットのサイズ・頭数・輸送方法によって大きく変わります。以下はあくまでも参考値です。詳細は無料見積もりでご確認ください。
| 費用項目 | 目安(1頭・1回) |
|---|---|
| マイクロチップ装着 | 5,000〜10,000円 |
| 狂犬病ワクチン接種 | 3,000〜8,000円 |
| 狂犬病抗体価検査 | 15,000〜20,000円 |
| 健康診断・健康証明書 | 10,000〜20,000円 |
| 輸出検疫手数料 | 6,900円〜(動物検疫所) |
| 輸送費用(航空会社) | 近隣アジア:20〜50万円 / 北米・欧州:30〜80万円 / 豪州:80万〜150万円 |
| PetAirJPNサポート費用 | 130,000円〜(出国のみ Aコース) |
※費用はあくまで目安です。航空会社・時期・ペットのサイズ・手続きの複雑さにより変動します。料金プランの詳細はこちらからご確認ください。
よくある失敗と対策チェックリスト
→ 書類の順番が要件を満たさず、やり直しが必要になるケースあり。必ずマイクロチップ→ワクチンの順で。
→ ワクチンを打ち直して再検査が必要。タイムラインが2〜3ヶ月延びることも。ワクチン・抗体価検査ガイドで事前に確認を。
→ 犬種と季節を考慮して輸送方法を早めに確定させることが重要。短頭種フライトガイドで制限を確認。
→ 有効期間の短い書類は最後に準備。有効期限を一覧表で管理しておく。係留を避けるためのガイドも参照。
→ 2024年8月以降、受領証なしでは入国不可。忘れずに。
よくある質問(FAQ)
まとめ:次の一手はここから
ペットとの海外渡航は、正しい順番で・余裕を持って進めれば、確実にサポートできます。大事なのは「早めのスタート」「書類の順番」「渡航先の最新規制の確認」の3点です。
PetAirJPNでは、無料の初回相談で渡航先・ペットの状況をお聞きし、必要な手続きと期限を整理してお伝えします。「まだ情報収集の段階」という方でもお気軽にご相談ください。
🐾 ペットの海外渡航、まずは無料相談から
渡航先・出発希望時期・ペットの状況をお知らせください。
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※この記事の情報は2026年3月時点のものです。各国の検疫規制・航空会社のポリシーは予告なく変更されることがあります。渡航前に必ず最新の公式情報をご確認ください。


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