最終更新日:2026年8月1日
この記事のポイント
- 手続きの開始時期は渡航先によって異なり、早い渡航先で3〜4ヶ月前、要件が多い渡航先では7ヶ月以上前からが目安
- 渡航先ごとに規制と検疫制度が大きく異なる
- 本記事は主に犬・猫を対象としています。鳥類・うさぎなど他の動物種は別の手続きが必要です
- 米国向け(犬)はCDC Dog Import Formのオンライン提出が必須(2024年8月〜、現在も継続)
- EU向けの新しいペット渡航規則は2026年4月22日に施行済み
ペットの海外渡航、準備はいつから始める?
「どれくらい前から準備すればいい?」という質問は最もよく受けます。必要な準備期間は渡航先によって大きく異なります。米国や近隣アジア諸国は3〜4ヶ月程度から準備できるケースがある一方、抗体価検査が必要な渡航先は7ヶ月前後、オーストラリアやニュージーランドは8ヶ月以上かかるケースもあります。渡航先が決まったら、早めに必要な期間を確認しましょう。
時間がかかる主な理由は3つです。①狂犬病ワクチン接種後、次のステップ(抗体価検査など)に進めるまでの待機期間、②血液検査の結果判明と証明書取得にかかる日数、③渡航先によっては狂犬病抗体価検査の採血後に一定期間の待機が必要になること(該当の有無や期間は渡航先ごとに異なります)——この3つが重なるため、直前に準備を始めると間に合わない可能性が高くなります。
| 渡航先 | 最低準備期間の目安 | 特記事項 |
|---|---|---|
| EU諸国 | 渡航先の要件により変動 | 狂犬病抗体価検査の要否は欧州委員会公式サイトの国別リストで要確認 |
| 米国 | 約3〜4ヶ月 | 犬はCDCオンラインフォームの提出が必須。猫は要件が異なるためCDC公式サイトで確認 |
| 英国 | 渡航先の要件により変動 | EUとは別の独自要件あり。抗体価検査の要否を含め公式サイトで確認 |
| オーストラリア | 約8ヶ月以上 | 到着後の施設検疫(最短10日)あり |
| ニュージーランド | 約8ヶ月以上 | 到着後に施設検疫あり。日数はMPI公式サイトで要確認 |
| シンガポール | 約4〜6ヶ月 | AVS認定ペットエージェント経由の通関が必須(2026年4月〜) |
| アジア近隣国 | 約3〜6ヶ月 | 国によって大きく異なる |
※上記はあくまで目安です。犬種・年齢・健康状態・出発空港・航空会社によって変わります。詳細な準備期間は無料相談でご確認ください。(出典: 動物検疫所、CDC、GOV.UK、DAFF(オーストラリア)、MPI(ニュージーランド)、NParks/AVS(シンガポール)等の各当局公式情報、確認日: 2026年8月)
準備のタイムライン:7ヶ月前から逆算する
必要な準備期間は渡航先によって異なりますが、ここでは要件が多い渡航先を想定し、7ヶ月前からのタイムラインで紹介します。準備期間が短い渡航先の場合は、後ろの工程から該当する項目に沿って進めてください。
【7ヶ月前〜6ヶ月前】情報収集・医療処置の開始
最初にすべきことは、渡航先の規制確認と獣医師への相談です。この時期に確認しておきたい主な項目:
- 渡航先の最新の輸入要件(公式機関で必ず確認)
- 必要なワクチンの種類とスケジュール
- マイクロチップの有無(未装着の場合は早急に対応)
- ペットの現在の健康状態の把握
この時期に行う医療処置は主にマイクロチップの装着と狂犬病ワクチン接種です。原則としてマイクロチップを装着してからワクチンを接種する順番が推奨されており、抗体価検査が必要な渡航先ではワクチン接種から一定期間をあけて採血するのが一般的なため、なるべく早めに済ませておきましょう。個別の順番の可否は動物検疫所や渡航先当局にご確認ください。
【5ヶ月前〜4ヶ月前】抗体価検査・書類準備の開始
抗体価検査が必要な渡航先の場合、ワクチン接種から一定期間が経過したら狂犬病抗体価検査を実施します。基準となる抗体価の値は渡航先によって定められており(EU向けは0.5 IU/ml以上)、この証明書の採血日がその後のスケジュールの起点になるため、日付管理が重要です。
- 抗体価検査の実施(検査機関は渡航先によって指定が異なる場合があります)
- 結果証明書の取得(判明まで2〜3週間かかるケースあり)
- 輸出検疫証明書の事前相談(出発空港の動物検疫所へ)
- 渡航先の輸入許可証が必要な場合は申請開始
EU向けの狂犬病抗体価検査の要否や、必要な場合の採血後の待機期間は、欧州委員会が公表する国別リストの内容にもとづいて決まります。渡航前に欧州委員会公式サイトの国別リストで最新の要否・要件を必ずご確認ください。証明書の有効期限や待機期間は渡航先ごとに異なるため、その他の渡航先も当局公式サイトで最新の要件をご確認ください。
【3ヶ月前〜2ヶ月前】航空会社の予約・ケージ準備
この時期に航空会社の選定と予約を確定させます。ペットの輸送スペースは数が限られており、特に夏季は気温上昇に伴う輸送制限を設ける航空会社が多いため早めの予約が必須です。制限の対象時期は各社で異なるため、必ず航空会社の公式サイトでご確認ください。また、短頭種(フレンチブルドッグ・パグ・ペキニーズなど)は多くの航空会社で輸送制限があるため、必ず事前確認を行います。
- IATA基準に合ったケージの選定・購入
- ケージへの慣らし訓練の開始
- 出発空港を管轄する動物検疫所への事前相談・スケジュール確認
- 現地の動物病院のリストアップ
【1ヶ月前〜出発前】最終確認と書類の仕上げ
出発前1ヶ月で書類一式を完成させます。健康証明書など有効期限が短い書類もあるため、かかりつけ獣医師との日程調整を早めに済ませておきましょう。輸出検査は検査希望日の14日前までに動物検疫所へNACCS(動物検疫関連業務)を利用して申請し、出発10日以内に検査を受けます。
- 輸出検査の申請(検査希望日の14日前まで)
- 輸出検査の受検(出発10日以内)
- 出発前:航空会社・獣医師の指示に沿った最終健康診断と食事管理(食事制限の要否や開始タイミングは動物の状態・航空会社により異なります)
- 書類の有効期限確認(全て最新の状態か)とコピーの作成・デジタル保存(クラウド推奨)
必要な手続き・書類の全体像
① マイクロチップの装着
犬・猫の場合、ほぼ全ての国で、ISO 11784及び11785の両規格に適合するマイクロチップの装着が求められます。装着は獣医師が行い、その後登録手続きを完了させます。原則として「マイクロチップを装着してからワクチンを接種する」順番が推奨されます(逆の順番だと書類が無効になる国があります)。個別の可否は動物検疫所や渡航先当局にご確認ください。
② 狂犬病予防接種
多くの渡航先で、一定の月齢以上であることが狂犬病ワクチン接種の条件とされています。渡航先ごとの月齢基準は当局公式サイトで必ずご確認ください。ワクチンの種類(不活化ワクチンなど)を指定する渡航先もあるため、使用するワクチンについては事前にかかりつけ獣医師にご相談ください。抗体価検査が必要な渡航先では、渡航先ごとに接種から一定期間をあけて採血するのが一般的です。
③ 狂犬病抗体価検査(必要な渡航先向け)
オーストラリア・ニュージーランドなど多くの渡航先で必要です。英国はEUとは別の独自要件を定めており、抗体価検査の要否や基準はGOV.UK公式サイトでのご確認が必要です。EU向けについては、狂犬病抗体価検査の要否が欧州委員会の国別リストの内容によって決まり、必要な場合の基準は0.5 IU/ml以上です。検査機関の指定や証明書の有効期限、入国までの待機期間は渡航先ごとに異なります。EU向けの最新の要否・要件は欧州委員会公式サイトの国別リストで、その他の渡航先も必ず渡航先当局・動物検疫所の公式サイトでご確認ください。
④ 輸出検疫証明書の取得(動物検疫所)
日本から犬・猫を輸出する際は、農林水産省 動物検疫所による輸出検疫証明書が必要です。出発空港を管轄する動物検疫所に、検査希望日の14日前までにNACCSを利用して輸出検査を申請し、出発10日以内に検査を受けます(出典: 動物検疫所「犬の輸出手続き」、2026年8月確認)。書類に不備があると証明書が発行されないため、事前にドラフトをメールで確認することを強くおすすめします。
詳しくは:動物検疫の教科書|愛犬・愛猫との海外渡航完全ガイド
⑤ 渡航先の輸入許可証・健康証明書
渡航先によっては、日本の輸出検疫証明書に加えて現地当局の輸入許可証の事前取得が必要です(オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールなど)。また、獣医師が発行する健康証明書(形式・言語・有効期限は渡航先ごとに異なる)も多くの国で求められます。
国別の最新要件(2026年8月現在)
EU諸国への渡航
- マイクロチップ装着(ISO 11784及び11785に適合)
- 狂犬病ワクチン接種(マイクロチップ装着後に接種)
- 狂犬病抗体価検査(要否は国別リストの内容によります。必要な場合の基準は0.5 IU/ml以上で、採血後に待機期間があります)
- EU形式の動物用健康証明書
- 犬の場合:エキノコックス(条虫)駆除証明が一部国で必要
狂犬病抗体価検査の要否を含め、最新の要件は欧州委員会公式サイトの国別リストで必ずご確認ください。
米国への渡航
- 犬の場合:マイクロチップ(ISO規格)装着
- 犬の場合:生後6ヶ月以上であること
- 犬の場合:CDC Dog Import Form のオンライン提出(受領証が必要)。日本は米国CDCの「高リスク国」リストには掲載されていません
- 猫の入国要件は犬と異なります。詳細はCDC公式サイトでご確認ください
- ハワイ州は別途固有の要件あり(要確認)
英国への渡航
- マイクロチップ装着
- 狂犬病ワクチン接種
- 狂犬病抗体価検査が必要になる場合があります(要否・基準は英国独自です)
- GB形式の動物用健康証明書
- 犬のみ:タペワーム(条虫)駆除証明が必要
英国はEUとは別の独自要件を定めています。抗体価検査の要否・基準や健康証明書の取得時期など、最新の要件はGOV.UK公式サイトで必ずご確認ください。
オーストラリアへの渡航
- 輸入許可証の事前取得(必須)
- マイクロチップ装着
- 複数の血液検査・各種予防接種
- 到着後の施設検疫(最短10日間)
- 準備期間の目安は8ヶ月以上
最新の要件はオーストラリア農業省(DAFF)公式サイトで必ずご確認ください。
ニュージーランドへの渡航
- オーストラリアと同様に厳格な要件
- 輸入許可証の事前取得(必須)
- 到着後の施設検疫あり(日数はMPI公式サイトで要確認)
- 準備期間の目安は8ヶ月以上
最新の要件はニュージーランド第一次産業省(MPI)公式サイトで必ずご確認ください。
シンガポールへの渡航
- 輸入許可証の事前取得(AVS)
- 狂犬病ワクチン接種
- AVS認定ペットエージェント経由でのCAPQ通関
- 検疫期間は出発国のステータスにより異なります
最新の要件はNParks/AVS公式サイトで必ずご確認ください。
※要件は予告なく変更されることがあります。必ず最新の公式情報を渡航前に確認してください。他の国については国別ペット輸送ガイドもご参照ください。
渡航先が決まったら、まず無料相談でスケジュールを確認しましょう
渡航先・犬種・出発希望日をお伝えいただければ、必要な手続きと期限を整理してご案内します。
書類準備から検疫所とのやり取りのご案内まで、まとめてサポートします。
相談は完全無料|オンライン対応可|土日祝も受付
輸送方法の種類と選び方
受託手荷物(貨物室への預け入れ)
日本発の国際線では、ペットの客室内への持ち込みを認めていない航空会社が多く、可否は航空会社・路線によって異なります。国際線で広く使われる方法は、受託手荷物として貨物室に預ける方法です。IATA(国際航空運送協会)の基準を満たしたケージを使用し、飼い主と同じ便に乗ります。小型犬・猫を中心に対応できますが、航空会社・季節・路線によって条件が変わります。
貨物便(カーゴ便によるペット輸送)
飼い主とは別の貨物便(カーゴ機)を使って輸送する方法です。大型犬・多頭・短頭種など受託手荷物で対応できないケースや、航空会社のペット受け入れ制限が厳しい季節に活用されます。専門の輸送業者が手配・管理するため安全性は高いですが、費用は高くなる傾向があります。詳しくはペット国際輸送完全ガイドをご覧ください。
特別なケース:短頭種・高齢・多頭
フレンチブルドッグ・パグ・ボストンテリアなどの短頭種は気道が狭く輸送中のリスクが高いため、多くの航空会社が輸送制限を設けています。対象となる犬種・条件は各社で異なるため、必ず各航空会社の公式サイトでご確認ください(例:ANA Cargo 動物の輸送に関する規定)。
高齢犬・高齢猫は事前の精密検査が推奨されます。多頭輸送の場合は、一頭一頭の書類と手続きが必要になります。詳しくはペットと飛行機に乗るための安全対策完全ガイドをご覧ください。
ペットの海外渡航、費用はどれくらいかかる?
費用は渡航先・ペットのサイズ・頭数・輸送方法によって大きく変わります。以下の項目別の金額は、国内での一般的な動物病院・検査機関の目安であり、実際の費用は施設によって異なります。渡航先の輸入許可申請費用・航空輸送費用は変動が大きいため、金額を明示せずご案内します。詳細は無料見積もりでご確認ください。
| 費用項目 | 目安(1頭・1回) |
|---|---|
| マイクロチップ装着 | 5,000〜10,000円程度(動物病院により異なります) |
| 狂犬病ワクチン接種 | 3,000〜8,000円程度(動物病院により異なります) |
| 狂犬病抗体価検査 | 15,000〜20,000円程度(検査機関により異なります) |
| 健康診断・健康証明書 | 10,000〜20,000円程度(動物病院により異なります) |
| 輸出検疫の手数料 | 最新の情報は動物検疫所公式サイトでご確認ください |
| 航空輸送費用 | 渡航先・時期・ペットのサイズにより大きく異なります(航空会社・無料見積もりでご確認ください) |
| PetAirJPNのサポート費用 | ペットの状況・渡航先によって異なります。無料相談でお見積もりします |
※費用はあくまで目安です。航空会社・時期・ペットのサイズ・手続きの複雑さにより変動します。料金プランの詳細はこちらからご確認ください。
よくある失敗と対策チェックリスト
→ 渡航先によっては書類の順番要件を満たさず、やり直しが必要になるケースがあります。原則としてマイクロチップ→ワクチンの順で進め、個別の可否は動物検疫所や渡航先当局にご確認ください。
→ 再接種・再検査が必要になり、渡航先の要件や獣医師の判断によってはスケジュールが大きく延びることがあります。ワクチン・抗体価検査ガイドで事前に確認を。
→ 犬種と季節を考慮して輸送方法を早めに確定させることが重要。短頭種フライトガイドで制限を確認。
→ 有効期間の短い書類は最後に準備。有効期限を一覧表で管理しておく。係留を避けるためのガイドも参照。
→ 受領証なしでは入国できません。忘れずにCDC Dog Import Formを提出しましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ:次の一手はここから
ペットとの海外渡航は、正しい順番で・余裕を持って進めることが、スムーズな手続きにつながります。大事なのは「早めのスタート」「書類の順番」「渡航先の最新規制の確認」の3点です。
PetAirJPNでは、無料の初回相談で渡航先・ペットの状況をお聞きし、必要な手続きと期限を整理してお伝えします。「まだ情報収集の段階」という方でもお気軽にご相談ください。
執筆: PetAirJPN 編集部(国際ペット輸送の実務チーム)
※この記事の情報は2026年8月時点のものです。各国の検疫規制・航空会社のポリシーは予告なく変更されることがあります。本記事は一般的な情報提供であり、個別の渡航可否・必要書類・所要期間の確定判断は、動物検疫所・渡航先当局・航空会社の最新の公式情報を必ずご確認ください。
🐾 ペットの海外渡航、まずは無料相談から
渡航先・出発希望時期・ペットの状況をお知らせください。
必要な手続きと期限をまとめてご案内します。
完全無料|オンライン対応可|土日祝も受付