最終更新日:2026年8月1日
愛犬と行きやすい南国はどこ?結論はハワイ・グアム・サイパン
愛犬と行きやすい南国の渡航先は、ハワイ・グアム・サイパンの3つです。いずれも米国の管轄地域で、狂犬病対策の制度が整っています。ハワイ・グアムは日本からの犬の受け入れ手続きが当局の公式ページで明確に案内されていますが、サイパンは日本を含む米国外からの持ち込みについて個別問い合わせとされている点にご注意ください。
3つの渡航先のざっくり比較
- ハワイ:全米で唯一の狂犬病未発生州。条件を満たせば到着当日の空港引き取りの対象になり得る
- グアム:3渡航先の中でも直行便で比較的近い。直行便+現地に120日以上滞在していたことなど条件を満たせば検疫免除の対象になり得る
- サイパン:のんびりした癒しの島。直行便の就航状況は時期により変わるため事前確認が必要で、帰国準備も3つの中で最も重い
「南国=どこも同じ手続き」ではありません。特にサイパンは、日本の帰国制度上の扱いがハワイ・グアムと根本的に違います。行きの手続きだけでなく、帰りの準備まで含めて計画することが、愛犬との旅行を成功させる鍵になります。順番に見ていきましょう。
3つの渡航先に共通する米国のルール(CDC規則)とは?
ハワイ・グアム・サイパンはすべて米国圏のため、2024年8月1日に施行された米国CDCの犬輸入規則が共通で適用されます。州・準州ごとの検疫ルールとは別に、まずこの連邦ルールを満たす必要があります(2026年7月時点)。
日本はCDCが指定する狂犬病の高リスク国リストには含まれておらず、CDCの分類では「狂犬病清浄国または低リスク国(dog rabies-free or low-risk country)」として扱われています。過去6ヶ月間を清浄国・低リスク国のみで過ごした犬が日本から直行で入国する場合、CDC関連の追加書類はDog Import Formのみで、入国できる空港の制限もありません(2026年7月時点)。詳細はCDCの犬輸入FAQ(英語)で最新情報をご確認ください。
ハワイ|全米で唯一の狂犬病未発生州

ハワイの特徴と楽しみ方
ハワイは全米で唯一、狂犬病が発生していない州です(出典:ハワイ州農業・バイオセキュリティ局FAQ、2026年7月時点)。この状態を守るために犬猫の検疫制度が設けられており、ルールは厳格ですが、条件を満たしていれば、到着当日に空港で愛犬を引き取れる「直接空港解放」の対象になり得ます。
青い海と白い砂浜でののんびりした散歩や、緑豊かなトレイルでのハイキングは、ハワイならではの楽しみです。ペットフレンドリーな飲食店や宿泊施設もありますが、犬の同伴可否はビーチや施設ごとにルールが異なり、立ち入りできない場所もあります。訪れたい場所の現地ルールを事前に確認しておきましょう。
ハワイ入国には何が必要?(直接空港解放・5 Day Or Lessの条件)
ハワイの検疫プログラムには「直接空港解放(Direct Airport Release)」「5 Day Or Less」「120日検疫」の3系統があり、事前準備をすべて整えた犬は到着当日に引き取れる直接空港解放の対象になり得ます。2026年7月時点の主な要件は次のとおりです。
マイクロチップの装着
抗体価検査の血液と個体を紐づけるため、採血前のマイクロチップ装着が前提です。
狂犬病予防接種を生涯で2回以上
2回目は1回目から30日以上あけて接種します。直近の接種は到着の30日以上前で、かつ有効期間内(1年ワクチンは12ヶ月以内、3年ワクチンは36ヶ月以内)であることが必要です。
狂犬病抗体価検査(OIE-FAVN)と30日間の待機
抗体価0.5 IU/ml超が必要です。検査機関が血液を受け取った日から30日間の待機を経て入州できます。検査結果の有効期間は36ヶ月です。
健康証明書の発行とマダニ・ノミ駆除の証明
獣医師発行の健康証明書が必要です。マダニ・ノミの駆除歴も証明書に記載する必要があります。発行のタイミングや駆除薬剤の要件は変更されることがあるため、最新の条件を公式ページでご確認ください。
書類一式を到着の10日以上前に提出
飼い主様が準備した書類一式を、到着の10日以上前にハワイの動物検疫ステーションへ届く形で送付します。提出が10日前を切ると追加手数料が適用されるほか、到着時に手続きが間に合わず空港での引き取りができない可能性があります(詳細は公式ページでご確認ください)。
州の手数料は次のとおりです(2026年7月時点。変更される場合があります)。
| プログラム | 州手数料(2026年7月時点) |
|---|---|
| 直接空港解放(書類が到着10日前までに必着の場合) | 185ドル |
| 5 Day Or Less | 244ドル |
| 隣島(コナ・カフルイ・リフエ)で直接空港解放を利用する場合 | 上記に加えて隣島検査許可(NIIP)の手数料が別途必要です(金額は公式ページでご確認ください) |
直接空港解放はホノルル(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のほか、隣島検査許可を取得すればコナ・カフルイ・リフエでも利用できます。ただし隣島の場合は、書類を到着の30日以上前に必着で提出し、現地の承認動物病院の事前予約も必要です(ホノルルの「10日前」より期限が早い点にご注意ください)。また、隣島到着時は上記の州手数料に加えて隣島検査許可(NIIP)の手数料が別途発生します(金額は公式ページでご確認ください)。所管は2025年7月に改称された「ハワイ州農業・バイオセキュリティ局(DAB)」です。最新の要件・手数料は同局の動物検疫ページ(英語)で必ずご確認ください。
グアム|直行便で比較的近い米国準州

グアムの特徴と楽しみ方
グアムの魅力は、3渡航先の中でも直行便で比較的近いことです。フライト時間が短いぶん愛犬の負担を抑えやすく、初めての海外旅行の行き先としても検討しやすい渡航先です。ペット同伴に対応する宿泊施設もありますが、ビーチや飲食店の犬同伴可否は施設ごとにルールが異なります。滞在プランを立てる際に、利用したい施設へ事前に確認しておくと安心です。
グアム入国には何が必要?
グアム入国には、入域許可(Entry Permit)の事前取得を含む次の準備が必要です(出典:グアム税関検疫局(CQA)ペット輸入要件、2026年7月時点)。
入域許可(Entry Permit)の申請
飼い主様が申請します。公式FAQでは到着の2〜3ヶ月前までの申請が推奨されています。手数料は60ドル(返金不可)、ペットライセンスは年5ドルです(2026年7月時点)。余裕を持って動きましょう。
マイクロチップの装着
120日未満の検疫プログラムを利用する場合、グアム公式は「米国製で、AVIDユニバーサルスキャナで読み取れること」を求めています。日本からの直行便で検疫免除の対象になり得るケースも含め、ご自身に必要な装着要件はCQA公式ページで事前に確認しておくと安全です。
狂犬病予防接種を生涯で2回以上
直近の接種が到着時に有効期間内であることが必要です(1年ワクチンは12ヶ月以内、3年ワクチンは36ヶ月以内)。
狂犬病抗体価検査(OIE-FAVN)
検疫プログラムを利用する場合は、到着前12ヶ月以内の実施・0.5 IU/ml以上(ホームクォランティン利用時は1.0 IU/ml以上)が必要です。日本からの直行便で検疫免除の対象になり得るケースも含め、ご自身に必要な検査の要否はCQA公式ページでご確認ください。結果は検査機関からグアム農務省へ直接送付され、FAVNの採血後に狂犬病ワクチンを追加接種することはできない点にご注意ください。
混合ワクチン(6疾病)を出発の10日以上前に
ジステンパー、犬伝染性肝炎/アデノウイルス2型、レプトスピラ、パラインフルエンザ、パルボウイルス、ボルデテラの接種が求められます。
健康証明書は到着前10日以内に発行
英語で、獣医師の署名(原本またはスタンプ署名)入り。個体情報・寄生虫駆除・マイクロチップ番号・狂犬病接種記録の記載が必要です。
日本のような狂犬病清浄地域から直行便で到着し、要件を満たし、その地域に120日以上住んでいた犬は、検疫免除の対象になり得ます。要件を満たさない場合は最長120日の検疫となるため、事前準備がすべてと言える渡航先です。最新の要件はグアム税関検疫局の公式ページ(英語)でご確認ください。
グアム旅行の全体像は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ 愛犬と行くグアム旅行完全ガイド|手続きから観光まで徹底解説!
サイパン|癒しの島。ただし準備は3つの中で最も重い

サイパンの特徴と現在のアクセス事情
サイパン(北マリアナ諸島連邦・CNMI)は、穏やかな気候とのんびりした島の空気が魅力の渡航先です。成田—サイパン直行便を含め、就航状況は時期により変わることがあります。旅行を計画する際は、経由便も含めて航空会社の公式サイトで最新の運航状況をご確認ください。
もうひとつ知っておきたいのは、サイパンが日本の帰国制度上の「指定地域」に含まれない点です。ハワイ・グアムと「同様の手続き」ではなく、行きも帰りも独自の準備が必要になります。詳しくは後述の帰国セクションで解説します。
サイパン入国には何が必要?
サイパン入国の要件として、CNMI天然資源局(DLNR)の公式ページが公開している一覧は、見出し上「米国からの犬・猫の持ち込み」向けの内容です。日本を含む米国外からの持ち込みは「地域により規制が異なるため個別に問い合わせ」という扱いで、日本からの犬に適用される条件や検疫の有無は明文で公開されていません(出典:CNMI天然資源局(DLNR)動物輸入ページ、2026年7月時点)。以下は参考として、同ページが米国からの持ち込み向けに公開している要件です。日本からの渡航では、渡航を検討する段階で必ずCNMI当局へ個別に確認してください。
入域許可(Entry Permit)の申請
公開要件では、CNMI天然資源局(DLNR)農業課へ到着の14日以上前に飼い主様が申請するものとされ、許可の有効期間は60日と記載されています。
狂犬病予防接種を生涯で2回以上
公開要件では、各回の接種について獣医師署名入りの証明書が必要とされています。抗体価検査(FAVN)は2回接種後の実施が推奨と記載されています。
混合ワクチンと寄生虫駆除
公開要件では、DHLPP(ジステンパー等の混合ワクチン)とボルデテラの接種に加え、渡航前14日以内の内外部寄生虫駆除について獣医師の証明が求められると記載されています。
健康証明書は渡航前10日以内に発行
公開要件では、渡航前10日以内に発行された獣医師発行の健康証明書が挙げられています。
CDC規則への対応
サイパンも米国圏のため、生後6ヶ月以上・マイクロチップ・CDC Dog Import Formの共通ルールが適用されます。
繰り返しになりますが、上の一覧は米国からの持ち込み向けの公開要件です。日本からの持ち込みにどこまで適用されるか、検疫対象になるかどうかは公開されていないため、検疫の扱いを含む適用条件を、渡航を検討する段階でCNMI当局へ個別に確認してください。
3つの渡航先の手続き比較表
主な要件を一覧で比較します。数値・期限はすべて2026年7月時点の各当局公式情報にもとづきます。なお、サイパン列の※印はCNMI公式が「米国からの持ち込み」向けに公開している参考値で、日本からの適用条件は個別確認が必要です。最新の内容は必ず各リンク先でご確認ください。
| 項目 | ハワイ | グアム | サイパン ※米国発向け公開値・要個別確認 |
|---|---|---|---|
| 狂犬病予防接種 | 生涯2回以上(2回目は30日以上後、直近は到着30日以上前) | 生涯2回以上(到着時に有効期間内) | 生涯2回以上(各回の証明書)※ |
| 抗体価検査(FAVN) | 0.5 IU/ml超+検体受領日から30日待機(結果は36ヶ月有効) | 到着前12ヶ月以内に0.5 IU/ml以上(検疫プログラム利用時) | 2回接種後に推奨※(日本帰国用には実質必須) |
| 健康証明書 | 獣医師発行(発行時期は公式ページで要確認) | 到着前10日以内(英語) | 渡航前10日以内※ |
| 事前申請 | 書類一式を到着10日以上前に必着 | 入域許可を事前申請(到着2〜3ヶ月前が推奨) | 入域許可を到着14日以上前に申請※ |
| 日本帰国時の扱い | 指定地域(要件充足で係留は短時間) | 指定地域(要件充足で係留は短時間) | 指定地域外(出発前の抗体価検査等が実質必須) |
出典:ハワイ州農業・バイオセキュリティ局/グアム税関検疫局/CNMI天然資源局(DLNR)/動物検疫所(日本帰国時の扱い)(確認日:2026年8月1日)。※サイパン列の数値は、CNMI公式ページが「米国からの犬・猫の持ち込み」向けに公開している要件です。日本からの持ち込み条件は明文で公開されていないため、CNMI当局への個別確認が必要です。
日本への帰国手続きはいつから準備する?
帰国の準備は「日本を出発する前」から始まります。ハワイ・グアムは日本の「指定地域」なので要件を満たせば帰国時の係留は短時間で済みますが、サイパンは指定地域外のため、出発前の準備を欠かすと帰国時に長期係留のリスクがあります。旅行記事では見落とされがちな部分ですが、ここが3つの渡航先の一番大きな違いです。
日本出国時に必要なこと(3渡航先共通)
犬は日本出国前に、動物検疫所で狂犬病・レプトスピラ症に関する輸出検査を受け、輸出検疫証明書の交付を受ける必要があります。検査を受ける動物検疫所へは、遅くとも出国の14日前までに連絡します(渡航先の条件により、さらに早めの連絡が必要な場合があります)。詳細は動物検疫所「犬・猫を連れて海外へ短期滞在される方へ」をご確認ください。
ハワイ・グアムからの帰国(指定地域)
ハワイとグアムは、日本の輸入制度上の「指定地域」(狂犬病清浄扱いの地域)に含まれます(2026年7月時点。出典:動物検疫所「指定地域からの犬・猫の輸入」)。主な流れは次のとおりです。
- 帰国(到着)の40日前まで:NACCS(動物検疫関連業務のオンラインシステム)で輸入の事前届出を行います。
- 現地出国前10日以内:現地で輸出前検査を受けます。
- 現地政府機関発行の証明書を取得:推奨様式はForm ABです。「日本から輸出されて以来、指定地域のみで飼養されていた」ことなどの記載が必要です。
- 日本到着時:輸入検査を受けます。要件を満たしていれば係留は短時間で済みますが、書類等に不備があると最長180日の係留検査になる可能性があります。
サイパンからの帰国(指定地域以外)
サイパンは指定地域に含まれないため、原則の帰国要件はぐっと重くなります。マイクロチップ装着、狂犬病予防注射2回以上、指定検査施設での抗体価検査0.5 IU/ml以上、採血日から180日以上の待機——これらに不備があると、帰国時に最長180日の係留検査となる可能性があります(出典:動物検疫所「指定地域以外からの犬・猫の輸入」、2026年7月時点)。
ただし短期旅行の場合は、日本出発前にマイクロチップ・2回以上の狂犬病予防注射・採血・抗体価確認まで済ませておくことで、海外で180日待機することなく、帰国時の係留を12時間以内に収められる仕組みがあります。帰国の40日前までの輸入届出と、滞在国政府機関発行の健康証明書も必要です。つまりサイパン旅行は、「出発前に帰国準備を終わらせておく」ことが実質的な前提条件です。詳しい条件は動物検疫所の公式サイトで確認するか、計画段階でご相談ください。
共通の注意点
どの渡航先でも、規制対応と並んで次の準備が旅の快適さを左右します。
関連記事:愛犬との海外旅行を楽しむためのポイント
よくある質問
🐾 ペットの海外渡航、まずはご相談ください
渡航先・出発希望時期・ペットの状況をお知らせください。
必要な手続きと期限をまとめてご案内します。
執筆: PetAirJPN 編集部(国際ペット輸送の実務チーム)
※この記事の情報は2026年8月時点のものです。各国の検疫規制・航空会社のポリシーは予告なく変更されることがあります。本記事は一般的な情報提供であり、個別の渡航可否・要件の確定判断は、各国当局・動物検疫所・航空会社の最新の公式情報をご確認ください。