はじめに:ペットと海外暮らしの現状と課題
世界各国でグローバル化が進む中、海外で暮らす日本人が増えているのは周知の事実です。しかし「愛犬や愛猫などのペットと一緒に渡航したいけど、具体的な手続きがわからない……」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
国際線での渡航にはマイクロチップ装着やワクチン接種など、通常の国内移動とは異なるさまざまな要件がありますし、海外の入国検疫や航空会社独自のルールなども絡んでくるため、情報収集が難しいと感じる方も少なくありません。
海外へペットと移住する際は、国ごとの検疫ルールや航空会社の規定など、事前の準備が非常に重要です!
そこで本記事では、日本から海外へペットを移住させる際に必要な準備と手続きを一通り整理します。大きなポイントは「狂犬病ワクチン」「マイクロチップ登録」「出国前の動物検疫」「渡航先ごとの入国ルール」「航空会社の輸送規定」など。
これらをベースにしながら、タイやEU諸国、アメリカを例に具体的な手続きをイメージしていただきます。もちろん、国や地域によって細かい差異はあるため、必ず各国公的機関・航空会社の公式情報で確認する必要がありますが、この記事を読めば全体像はしっかり掴めるはずです。
1.日本から海外へペットを連れて行く基本の流れ 
最初に、日本からペットを連れて海外へ移住する際の、ざっくりとした流れを押さえておきましょう。以下は一般的なプロセスであり、どの国へ行くにしても大きくは変わりません。
1. マイクロチップ装着
– ISO規格(15桁)のマイクロチップを動物病院で装着。ワクチン接種より先に装着しておくのが原則。
2. ワクチン接種・健康診断
– 狂犬病ワクチンを含む必要な予防接種を行う。国や渡航ルートによっては混合ワクチンや抗体価検査が必要になる。
3. 日本出国時の検疫(輸出検疫証明書取得)
– 農林水産省の動物検疫所で、出発10日以内にペットを連れて検査を受け、「輸出検疫証明書(英文)」を発行してもらう。
4. 渡航先ごとの入国手続き・書類準備
– タイなら輸入許可、EUならEU規格の健康証明書、アメリカは州の規定確認など。それぞれの要件を満たす必要がある。
5. 航空会社への連絡・輸送手配
– 機内持ち込みか貨物室輸送かを決めて予約する。航空会社によって受付規定や追加料金が異なる。短頭種や大型犬は要注意。
6. 渡航後の現地登録・保険・獣医探しなど
– 到着したらライセンス登録(犬の場合)や、ペット保険加入、かかりつけ獣医を探すなどして新生活に備える。
最初の3ステップはほぼどの国に行くにも共通して必要なんだね!マイクロチップ・狂犬病ワクチン・日本の輸出検疫証明がなければ入国条件を満たせないよ。
マイクロチップ装着→ワクチン接種→日本出国検疫→渡航先の入国書類準備→航空輸送手配→現地での登録と生活準備の順に進めていきます。
特に最初の3ステップはどの国へ行く場合でも必須です。
2.マイクロチップとワクチン接種の重要性
マイクロチップ装着
ISO11784/11785規格(15桁)のマイクロチップは、世界的にペットの個体識別方法として定着しています。日本国内で装着していない場合、海外渡航の準備として最低でも2~3か月前に行っておきましょう。
EU諸国やタイなどの多くの国では、狂犬病ワクチンはマイクロチップ装着後に接種することが大前提とされているからです。
マイクロチップは獣医師のもとで簡易的な外科処置により埋め込むことが多く、費用は5,000~10,000円程度。装着後は番号入りの証明書(英文)を必ず受け取っておきます。
ペット保険の登録や海外のIDデータベースにマイクロチップ番号を追加する際、役立つでしょう。
マイクロチップは首の後ろ側の皮下に埋め込む小さな電子チップで、ペットの個体識別に使われるんですよ。注射のような感覚で装着できるので、ペットの負担も少ないんです!
マイクロチップについては以下の記事で詳しく解説しています。
狂犬病ワクチン&混合ワクチン
– 狂犬病ワクチン: 多くの国で必須。出発21日前までに接種が終わっていないと入国を拒否されるケースが一般的です。
– その他混合ワクチン: 犬ならジステンパー、パルボウイルス、アデノウイルス、猫ならFPVなどを要求する国もあります。タイなどではこれらの接種証明を渡航前に用意する必要があります。
私たちがタイに移住した時は、愛犬の混合ワクチン証明書がなくて空港で大変でした。事前にしっかり準備しておけばよかったと後悔しています。
オセアニアや日本など狂犬病清浄国とされる地域を除き、世界的には狂犬病予防接種が非常に重視されています。アメリカでも州によっては追加書類を求められることがあるため、かかりつけ獣医師と相談しつつ英文接種証明を取得してください。
狂犬病ワクチンについては以下の記事で詳しく解説しています。
3.日本出国時の輸出検疫証明書とは
なぜ必要?
日本の法律では、犬・猫を海外へ連れて行く場合に動物検疫所で検査を受け「輸出検疫証明書」を取得する必要があります。この書類がないと、海外の入国時に書類不備とみなされるリスクが非常に高いです。
違反すると罰則もあり、出国自体が認められないケースがあります。
輸出検疫証明書は、あなたのペットが健康で海外に持ち込んでも問題ない状態であることを証明する大切な書類なんです!
検査の流れ
1. 出発10日前までに予約: 農林水産省の動物検疫所へ連絡し、検査日時を予約する。
2. 必要書類を準備: 狂犬病・混合ワクチン接種証明、マイクロチップ装着証明、健康診断書など。
3. 検査当日にペットを連れて検疫所へ: 実際に動物の健康状態や書類を確認し、問題なければ英文の輸出検疫証明書を発行してもらえる。
この輸出検疫自体は無料ですが、獣医師による健康診断書の費用などは自己負担です。書類は通常2部発行可能で、1部は海外入国時に提出、もう1部は今後日本に再入国する際に使用するなどして保管しておくと安心です。
4.具体例:タイ・EU・アメリカ
ここからは、典型的な渡航先として挙げられるタイ・EU諸国・アメリカの例を取り上げ、手続きの違いを簡潔に整理します。実際には詳細ルールが頻繁に更新されるので、必ず公式情報や専門家に確認してください。
4-1. タイ:輸入許可申請と空港での最終チェック
– 輸入許可(Import Permit): タイ農務省にメールで申請書類(R1/1フォーム、パスポートコピー、ペット写真など)を送り、動物輸入通知を受領する。
– ワクチン要件: 狂犬病に加え、犬であればジステンパー・パルボウイルスなど複数混合、猫なら猫パルボなどを推奨(21日前までに完了)。
– タイ到着後: 空港(スワンナプームなど)の動物検疫オフィスで輸入許可書・日本の輸出検疫証明書・パスポートを提示し、500バーツの手数料を支払う。健康に問題なければ即日通過。隔離は原則なし。
生後4か月未満だと追加書類が要求される可能性があるので、子犬・子猫の場合は特に注意してください。
4-2. EU諸国:狂犬病ワクチン+21日、場合によって抗体価検査
– マイクロチップ装着後にワクチン: 生後12週齢以上で、マイクロチップを入れてから狂犬病ワクチンを打ち、そこから21日待機が基本。
– 健康証明書(EU規格): 渡航10日以内に日本の動物検疫所で発行してもらう。犬なら渡航1~5日前にエキノコックス駆除が必要な国(イギリスなど)も。
– 抗体価検査: 日本で生まれ育っている犬猫なら不要とされる場合が多いが、過去に高リスク国にいた場合は検査が必要(狂犬病抗体価が0.5IU/ml以上など)。
イギリスやアイルランド、マルタなどは追加ルールがあるから特に注意が必要だよ!入国前の駆虫処置や事前申請書類を忘れると、最長4か月の隔離措置になってしまうこともあるんだ。
4-3. アメリカ:狂犬病低リスク国からなら手続き簡略
– 狂犬病低リスク扱い: 日本はCDC(米国疾病予防管理センター)から低リスク国とされており、基本的に輸入許可不要。
– 州・自治体の独自規定: 到着後30日以内に犬ライセンス登録を義務付けるところが多く、狂犬病ワクチン接種証明書を提出する。
– ハワイやグアム: 独自の厳格検疫(事前の抗体価検査・待機など)があり、日本からの直行でも入国条件が大幅に異なる。
航空会社によっては健康証明書(フォーム7001)を搭乗時に求める場合があるため、あらかじめ獣医師に依頼して発行してもらうのがおすすめです。
国・地域 | マイクロチップ | 狂犬病ワクチン | 待機期間 | 追加要件 | 入国時の手続き |
---|---|---|---|---|---|
タイ | 必須 | 必須(21日前) | なし | 輸入許可申請、混合ワクチン | 空港で500バーツ支払い |
EU | 必須 | 必須(21日前) | 21日以上 | 国によりエキノコックス駆除 | EU健康証明書提示 |
アメリカ | 推奨 | 必須 | なし | 州ごとに異なる | 検疫官確認のみ |
ハワイ | 必須 | 必須 | 要確認 | 抗体価検査、事前申請 | 厳格な検疫あり |
5.航空輸送の選択肢と費用感
5-1. 機内持ち込みか貨物室か
– 機内持ち込み(客室同伴): 体重7~8kg程度までの小型犬・猫が対象。キャリーバッグを座席下に収納できることが条件で、予約枠や追加料金は航空会社ごとに異なる。
– 貨物室(受託手荷物 or エアカーゴ): これを利用するのは中~大型犬や短頭種など。IATA基準を満たす頑丈なクレートを使用し、季節や気温状況によって受け入れ不可の場合あり。
費用は、客室持ち込みなら片道1~3万円、貨物室では5万~15万円以上が一般的な目安。距離が長いほどコストがかさむ傾向があります。
うちのトイプードルは機内持ち込みで韓国に行きました。事前に予約が必要でしたが、私の足元で安心して過ごせたので良かったです。大型犬だと貨物室になるのでより慎重な準備が必要だと思います。
5-2. クレートトレーニングとストレス軽減
貨物室輸送であれ機内持ち込みであれ、ペットがキャリーやクレートに慣れていないと大きなストレスとなります。少なくとも数週間~1か月前からクレートを部屋に置いて自由に出入りさせ、おやつなどでポジティブな印象を植え付けるトレーニングを始めましょう。
当日は出発前に十分な運動と軽食、排泄を済ませ、水分補給も忘れずに。ただし満腹状態だと嘔吐しやすいので、搭乗3~4時間前には食事を終えるのがおすすめです。
クレートトレーニングはとても大切です!クレートに対して恐怖心があると、長時間のフライト中にペットが強いストレスを感じてしまいます。おやつを使って少しずつ慣らしていきましょう!
ペットのクレートについては以下の記事で詳しく解説しています。
5-3. ペット輸送専門業者の活用
「書類準備や英語交渉が大変」「大型犬や経由便で難易度が高い」という方は、国際ペット輸送の専門会社に依頼する方法もあります。-ペットの国際輸送サポート、出国・入国時の検疫手続き代行、各国の輸出入規制情報の提供・相談、書類作成・申請代行などを包括的に行ってくれるため、安心面でのメリットは大きいです。
PetAirJPNは専門企業は輸入許可取得や検疫手続き代行もカバーし、独自のノウハウを活かしたカスタマイズプランを提案します。
6.渡航後の手続きと現地生活
6-1. 現地での登録・保険・獣医選び
海外では、犬の場合に自治体や州へライセンス登録を義務付ける地域が多く、到着から30日以内に申請しないと罰金が科される例もあるので気を付けましょう。EU諸国では、一定額の犬税が課される都市も少なくありません。
また、動物医療費が高額になる国(アメリカなど)では、ペット保険に加入しておくと大きな出費リスクを抑えられます。現地で信頼できる獣医を見つけ、ワクチンや寄生虫対策を継続することで健康管理をしっかり行うことが重要です。
アメリカに移住した時、犬の歯の治療だけで1000ドル以上かかりました。ペット保険に入っていなかったので、本当に驚きました。海外の動物医療費は日本より高額なので、保険は必須だと思います。
6-2. 住環境への適応
引越し先の家やアパートがペット可であることは大前提。物件によっては重量制限や頭数制限、追加のデポジットが必要な場合も。犬猫ともに、新しい環境への適応には時間がかかる子が多いので、
– 初日は広い範囲を自由にさせず、安心できる狭いスペースから慣らす
– 日本から持参した毛布やおもちゃで自分の匂いを感じさせる
– 水やフードも徐々に現地のものと切り替え、胃腸の負担を軽減
– 騒音や時差の影響などに気を配り、落ち着ける環境づくりを心がける
特に短頭種や高齢のペットは気温差や気圧の変化に弱いため、引越しの季節や時間帯にも配慮すると良いでしょう。
7.よくある質問(FAQ)
Q1. 渡航準備はいつから始めればいいですか?
A. 最低でも3か月前が理想です。EUの抗体価検査が必要なケースでは6か月以上かかる場合もあるので、飼い主と獣医師、検疫所で早めにスケジュールを組みましょう。
Q2. 大型犬でも客室に乗せられますか?
A. ほとんどの航空会社は小型犬・猫のみ客室許可で、大型犬や重量オーバーの場合は貨物室になります。航空会社ごとに異なるので、事前に必ず規定をチェックしてください。
Q3. EUへ行く場合に狂犬病抗体価検査は要りますか?
A. 日本で生まれ育ち、日本を出国するまで海外に滞在していないペットなら免除されることがほとんどですが、ルートや経由地によって異なることがあるため、念のため確認が必要です。
Q4. ペットの輸送業者に頼むと高額ですよね?
A. 数十万円かかることがありますが、書類作成・通関・航空便手配などを一括でサポートしてもらえるメリットがあります。初めての海外移住で不安が大きい場合や、大型犬・特殊犬種の輸送には検討する価値があるでしょう。
Q5. 現地に着いた後の犬猫のストレス対策は?
A. クレートトレーニングをしておくと大幅に軽減できます。新居に慣れるまでは狭いスペースから徐々に行動範囲を広げ、日本のフードや毛布を活用して”自分の匂い”を感じさせてあげましょう。
そのほかのFAQは以下のページでご覧になれます。
8.PetAirJPNの専門サポートで安心
ここまで見てきたように、海外移住に伴うペットの渡航準備は想像以上に複雑です。ワクチンや証明書の翻訳、航空会社との交渉などで手間取ることも少なくありません。
そんなときに頼りになるのが、PetAirJPNです。以下のような強みを活かし、個別のニーズに応じたサポートを提供しています。
– ビジョン:「どんな国でも、ずっと一緒に。」
最新の規制や航空会社要件を把握し、飼い主様とペットが離れ離れにならない国際移動を目指します。
– 幅広いサービス
– 出国・入国時の検疫手続き代行
– ワクチン接種やマイクロチップ装着サポート
– マニュアル作成、書類申請代行、翻訳サポートなど
– 安全輸送のためのクレート手配、現地エージェント連携
– カスタマイズされたプラン
犬種・年齢・健康状態、引越し時期、渡航目的などに合わせて柔軟に対応。「大型犬だけど機内持ち込みを検討したい」「乗り継ぎが多いがなるべく短時間で済ませたい」など、可能な限りベストな方法を提案します。
– 豊富な国際輸送実績
タイ・EU諸国・アメリカはもちろん、オセアニアや中東、アジア各国へも輸送実績が多数。最新の情報を常にアップデートしているため、書類不備や手続きミによるトラブルを大幅に回避できます。
9.まとめ:安心・安全なペット海外移住を実現するには
マイクロチップ→ワクチン→輸出検疫証明書の流れをしっかり押さえ、渡航先が求める書類や許可証を揃えることが何より重要です。
ポイント2:航空会社の規定と費用を比較
機内持ち込み可能か、貨物室はどれだけのコストがかかるか、夏季や冬季に制限がないかなど、事前に確認するほどスムーズに予約ができます。
ポイント3:到着後のケアも忘れずに
ライセンス登録、ペット保険、獣医探し、住環境への慣れなど、現地での生活設計をペットの目線で考えることが大切です。
ポイント4:プロのサポートを活用する
「書類や英語のやり取りに不安」「大型犬や短頭種で心配」という方は、PetAirJPNなどの専門業者と相談することで、余計なリスクを大幅に減らすことができます。
海外移住は飼い主だけでなく、ペットにとっても大きな挑戦です。しかし、適切な情報収集と手続きをしっかり行えば、家族と離れ離れにならず、異国の地での充実した生活が待っています。ぜひ本記事をきっかけに、早めの計画とプロのサポート活用をご検討ください。
はじめに 愛するペットと日本への帰国を考えている方、その準備の複雑さに頭を悩ませていませんか?実は、ペットの日本帰国は年々厳格化が進み、2024年現在、手続きの失敗により最大180日もの強制係留、最悪の場合は出国地への強制返送というケースも発生しています。 特に注意が必要なのは、日本の検疫制...
参考文献
- 農林水産省 動物検疫所:犬、猫を輸出するには
- 日本からの犬、猫の持ち出し Q&A:動物検疫所
- CDC: Importation of Dogs (Rabies-free or Low-risk Countries)
- Bringing an Animal into the U.S. | CDC
- IATA | Live Animals Regulations
- MoveHub: Pet Relocation Costs in 2024
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